スカイメモSで見えない天体を導入する方法

過去遠征地にてGP2の電源が入らなくなり、困り果てたことがあります。星野写真のために持って行ったスカイメモSとスターホッピングによる手動導入でなんとか撮影できました。

自動導入とプレートソルビングがあれば、天体導入はあっという間にできてしまいますが、いざという時のために、手動導入の方法も覚えておいたほうがいいです。昔ながらのGP2などドイツ式赤道儀は目盛環がついていますので、これを使った手動導入をすれば何のことないですが、スカイメモSのようなポータブル赤道儀にはついていません。

そこで、今回はスカイメモSで目盛環のようなものを仕立てて、手動導入をする方法をご紹介します。

必要なもの

  • スカイメモS本体
  • スカイメモS用微動雲台
  • スカイメモS用微動台座付アリガタプレート
  • スカイメモS用シャフト&ウエイト
  • カメラ
  • レンズ(200mmくらい。)
  • 三脚
  • アルカスイス互換パノラマクランプ・・・DECの目盛環の代用
  • アルカスイス互換L字プレート・・・縦位置横位置の切り替えと左右のバランスのため
  • アルカスイス互換クランプ付きプレート・・・前後のバランスのため
  • タイマー付きリモートスイッチ
  • 天体の座標を調べるためのアプリ(スカイサファリなど)

準備

  1. 赤経軸クランプ・パノラマクランプを緩めても静止できるようにバランスを調整する。アルカスイス各プレートを組み合わせるとピタッと止まるようになります。
  2. 極軸を合わせる。→ 極軸の合わせ方
  3. 恒星駆動させる。

手順

導入する天体の座標(A)と近くにある目視できる明るい星の座標(B)をアプリで調べる。

天体RADEC
(A) M8干潟星雲18h 05.3m-24 23′
(B) アンタレス16h 30.9m-26° 29′
導入例

①パノラマクランプの目盛の0を基準に南側に回し、アンタレスのDECである26°29’あたりに合わせて固定します。1目盛=約2.5°

②目視でアンタレスを画面中央に導入する。この時、DECはパノラマクランプではなく、アリガタプレートのクランプを緩めて操作する。導入できたら固定する。

DSC_7430

③時間目盛の0の位置を16h、月日目盛リングの任意の線を目印としてアンタレスのRA(16h 30.9m)に合わせる(時計回り。)1目盛=約10m。

④赤経軸を緩め、目印がM8のRA(18h 05.3m)の位置に来るよう回転させ、固定する。目盛表示は逆時計周りに表示されていますが、RAは時計回りで目盛を読みます。

⑤パノラマクランプを緩め、M8のDEC(-24° 23’)に合わせて固定する。

これでM8が画面内に導入できるはずです。あとは微調整。

動画による実演